30代リンパ腫患者のブログ

首都圏在住の30代男性による、悪性リンパ腫の闘病の様子をお伝えするブログです。

ホジキンリンパ腫と治療法

 今回は、ホジキンリンパ腫がどういう病気で、どういう治療法があるのか、私が治療前や治療中に集めた情報を簡単にまとめてみたいと思います。

 

 主な情報源は、私の主治医からの情報と、国立がん研究センターの伊豆津先生が講演されている以下の動画、がんセンターのウェブサイトなどです。詳しく知りたい方は元ネタ(以下リンク)をご覧ください。

【第25回 希少がん Meet the Expert:ホジキンリンパ腫】動画公開 | がん情報サイト「オンコロ」

悪性リンパ腫 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

 

<ホジキンリンパ腫について>

 血液のがんは、白血病悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などに分かれるようです。悪性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球ががん化した病気です。年間3万人の日本人がかかるようです。原因はよくわかっていないようです。

 元フジテレビの笠井アナもこの病気ですね。私と同時期に治療を開始されているので、ブログを拝見しつつ勝手に応援しています。

 

 リンパ腫の症状としては、首やわきの下などリンパ節の多いところに痛みのないしこりが現れることが多いようです。病気が進むと「発熱」「体重の減少」「大量の寝汗」の症状(「B症状」というらしいです)が現れます。

 私の場合は見えるところにしこりはできず、肺に腫瘤ができたようです。また、入院初期に発熱や寝汗を経験したので、今思うとB症状が出始めていたのかもしれません。

 

 リンパ腫と一口にいっても、週単位で進む悪性度が高いものから、年単位でゆっくり進むものまで数十種類に分かれるようです。

 ざっくり分けると、約1割の人が「ホジキンリンパ腫」、約9割の人が「非ホジキンリンパ腫」です。ホジキンリンパ腫を発症する日本人は年間で約1800人と推計されているようです。10万人に1.4人とかなり稀な病気です。

 原因不明で10万人に1.4人が発症ということなので、私はこの宝くじ的な確率の病気にたまたま当たってしまったということのようです。とはいえ全国で1800人も同じ境遇の方がいるんですね。

 

 さらにホジキンリンパ腫にもいろいろ種類があるらしく、一番多いのは「結節硬化型」で20-30代が発症ピークらしいです。若くてもかかる病気なんですね。次に多いのは「混合細胞型」で、こちらは60-70代がピークらしいです。

 

 リンパ腫の病期(ステージ)は、腫瘍の拡がりなどによって、限局期(ステージ1と2)、進行期(ステージ3と4)に分かれます。

 ホジキンリンパ腫の場合、再発せずに生存する割合(無憎悪生存率というらしいです)は、限局期で8割強、進行期で6割強らしいです。ただし再発してもすぐに死に至るということではなく、再発しようがしまいが、8割強は10年後も生存というデータがあるらしいです。

 

 ざっくり言えば、ホジキンリンパ腫は多くの場合は治る病気で、仮に再発しても治療すればすぐに死に至るわけではない、という病気のようです。

 

 

<治療法(アドセトリス )>

 次に治療法です。最新の治療法、アドセトリス を中心に説明します。

 

 がんには、「手術」「化学療法」「放射線療法」という3大治療法がありますが、ホジキンリンパ腫の治療では主に化学療法が行われます。抗がん剤を点滴で投与します。

 

 ホジキンリンパ腫の治療は、これまで何十年もABVD療法(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジンの4種類)と言われる抗がん剤治療が行われてきたようです。

 2018年9月に、もっと治療成績が良い「アドセトリス 」という抗がん剤が国内で承認されました。普通の抗がん剤はがん細胞だろうが正常細胞だろうが構わず攻撃しますが、アドセトリスはがん細胞だけを狙い撃ちするので効果が高い、ということのようです。今はアドセトリス を組み合わせた「A-AVD療法」という治療法が行われています。

 

 最新のA-AVD療法と、以前のABVD療法を比べると、A-AVDの方が死亡リスクを3割低くできるようです。ただしデメリットもあって、A-AVDの方が副作用として指先のしびれや免疫低下が強いようです(以下リンク)。

 

相臨床試験のECHELON-1およびECHELON-2の追加解析データを2019年ASH年次総会で発表 | Business Wire

武田薬品とシアトル・ジェネティクスが進行期ホジキンリンパ腫のフロントライン治療でアドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)を評価する第3相ECHELON-1臨床試験の良好なデータを発表へ | Business Wire

 

 A-AVD療法では、2週間に1度、抗がん剤を点滴で投与します。1回に3時間くらいでしょうか。これを2回やると1コース(4週間)。標準治療ではこれを6〜8コース行う。なので治療期間はトータルで24〜32週です。半年〜8ヶ月ぐらいですね。

 

 限局期でも進行期でも7-8割の人はA-AVD治療で治るけど、これで治らない人や再発した人は、より強い抗がん剤治療や、自家移植や同種移植と呼ばれる治療が必要になるようです。

 

 

 不幸中の幸いというか、病気になって数少ない明るい材料は、2018年に始まったばかりの最新の治療法を受けられることかなと思います。 実際に自分がアドセトリス の治療を受けてみた様子は、後日アップしていきます。